おはようございます、beataです。
ところで、経営という営みの中で「価値」と「価格」の境界について考えたことはありますか?
この前、銀座にあるとある超高級コーヒー専門店のお話を聞く機会がありました。
そのお店では、コーヒー1杯の最低価格が1万円からとなっています。
街のカフェであれば150円ほどで飲めるコーヒーですが、その実に約67倍。中には1杯15万円もする特別な一杯を用意しているそうです。
「そんな高額なコーヒー、一体誰が買うのだろう?」と一瞬思ってしまいますよね。しかし、実際にそのお店には足繁く通うお客様が存在します。
私たちは普段、「高い商品は売れにくい」という固定観念にとらわれがちです。しかし、実は売れないのではなく、お店側が“高額でも選ばれる仕組み”を意図的にデザインしているのです。
なぜ、そこまでの価格差が生まれるのでしょうか。
それは単に「珍しい豆を使っているから」という物理的な理由だけではありません。
人は「商品そのもの」にお金を払っているのではなく、その商品を通じて立ち現れる『特別な体験』や『自分の価値観を満たす空間』にお金を払っているのです。
価格とは、価値の対価ではなく、お客様と自社との間に結ばれる“信頼と世界観の約束”そのものなのかもしれません。
もし、あなたの会社や顧問先で「価格競争から抜け出したい」「自社の価値をもっと高く評価してもらいたい」と感じているなら、3つの視点からビジネスを再設計してみることをおすすめします。
ひとつ目は、≪ターゲットを絞り込むこと≫です。
すべての人に届けようとすると、メッセージは平均化し、どこにでもある商品になってしまいます。たった一人(特定の層)の深い悩みに深く寄り添うからこそ、専門性と独自の価値が生まれ、高額でも選ばれる存在になります。
ふたつ目は、≪数を限定すること≫です。
銀座のそのお店では、世界にたった12本しか存在しないボトルからコーヒーを淹れるそうです。人間は「いつでも手に入るもの」には価値を感じにくく、「今、ここでしか出会えないもの」に強い情熱を抱く生き物です。
三つ目は、≪パッケージ(世界観)を整えること≫です。
そのコーヒーはまるで高級ワインのように優雅なボトルで提供され、店内の佇まいや空気感まで完璧に装丁されています。価値にふさわしい「見た目」や「文脈」を整えることで、届けるべき人にその真価が伝わるようになります。
価格を引き上げるということは、お客様からより多くの利益を得ることではありません。
自社が提供する価値の純度を極限まで高め、それを必要としている方へ誠実に手渡すための宣言です。
まずは今提供している商品の中で、「提供数を限定してみる」といった小さな試みから始めてみてはいかがでしょうか。ほんのわずかな視点の転換が、ビジネスの構造を大きく変えるきっかけになります。


コメント